基本的な考え方
排水による水質汚染や、プラスチックなどの漂着ごみによる海洋汚染、海岸の景観の悪化は、世界的に深刻な環境問題となっています。当社グループは、美しい自然に建つ会員制ホテルをはじめ、多くの自然の中で事業活動を行っており、環境問題は大きなリスクと考えています。
大量生産、大量消費、大量廃棄による環境の悪化を低減するため、当社グループでは限られた資源を大切に活用していきます。
廃棄プラスチックの低減
廃棄プラスチックの低減
当社では事業活動におけるプラスチック利用の低減を継続的に進めています。2022年4月に施行されたプラスチックに係る資源循環の促進等に関する法律(プラスチック新法)を踏まえ、特定12品目提供量の削減に取り組んでいます。
2023年実績
特定12品目提供量:2019年度比 34.8%減
2027年度目標:2019年度比 40%減
客室アメニティ等の環境配慮
2022年度より、ホテルで使用している客室アメニティの一部を環境に配慮した製品に変更しました。
例えば、歯ブラシの包材にはバイオマス素材、本体にはリサイクル樹脂を採用。使用済みの歯ブラシは回収し、先端を切り取り再度リサイクルいたします。使用と回収を同時にできるのはホテルならではの資源の循環です。再生資源の活用、プラスチックの削減、ごみ排出の削減などに貢献していきます。また2018年度より、全てのホテルやレストランで使用している年間約100万本のプラスチック製ストローの使用を原則禁止し、紙製ストローに変更しました。
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100%リサイクルペットボトルの採用
2022年7月より、当社が運営するホテルの客室で100%リサイクルペットボトルのミネラルウォーターを設置しています。すでに作成されたペットボトルは水平リサイクルを行い、新たにプラスチックを生成することなくペットボトルを作成しています。これにより、プラスチックの絶対数を減らす取り組みにつなげていきます。
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アクリルパネルの利活用
コロナ禍に各拠点で使用したアクリルパネルを、2023年に4,769枚回収しました。そのうち一部は、日本赤十字社を通じて医療機関等に寄付しました。残るパネルは、廃棄することなく、お客様と一緒に環境対策に取り組み、お客様に喜んでいただけるコンテンツとしてリサイクルを推進しています。
2024年の夏には、お客様向けの体験コンテンツとして「お絵描きボード」の製作体験を行いました。自由に絵を描いたり、施設内を散策して落ち葉や花を挟むなど、100名以上のお客様の手に体験いただきました。また、その後もお客様の記念日を彩る「写真立て」としての活用など、様々な用途で実行しています。
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食品リサイクルの推進
リゾートトラストグループならではの食品リサイクルループ
当社グループでは、食事の提供を通じてお客様に喜んでいただき、お客様の豊かさやしあわせの創出を目指しています。喫食や、調理の際に発生する食品廃棄物については、食品リサイクル法に則り食品循環資源の再生利用等の数値目標を定め、リサイクルの推進、たい肥化、分解処理を行う設備の設置などに取り組んでいます。
また、当社グループでは、ホテルで出た食品残渣由来のたい肥を使い、近隣の生産者様のもとで育てた作物を再びホテルでお客様へメニューとして提供する「食品リサイクルループ」の構築を進めています。お客様、そして地域の方々と共に、私たちだからこそできる食品循環の形を追求しています。
2024年度は、この食品リサイクルループによって出来た野菜を通して、当社ホテルにてお客様への滞在体験の新たな付加価値を目指し、取り組みを進めています。
エクシブ蓼科では、「食品リサイクルループ」で栽培した野菜の収穫体験を行いました。お客様には、地元農園にお越しいただき、野菜収穫やその場での試食を通して、地元農園での体験や交流を楽しんでいただきました。
また、ホテル滞在のお客様に向けて、エクシブ蓼科内のブッフェコーナーで炭火焼での提供も行いました。ライブキッチンスタイルで、地産地消を五感で感じていただきました。
今後、当社グループは「食品リサイクルループ」を通して、農作物・畜産物・水産物などといった新たなコンテンツを増やしてまいります。そして、当社グループの拠点を利用していただくお客様や関わる地域の皆様に、新たな付加価値を感じていただき、お客様や地域、そして地球環境にとっても持続可能な仕組みづくりを進めていきます。
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2023年度実績
食品廃棄物の再生利用等実施率:54.38%
目標:2027年度65.6%
食品ロスの低減
サプライチェーン全体を通した食品ロスの削減
当社では、地震などの災害時に備え、非常食や保存水を備蓄しており、消費期限の近づいた備蓄品をフードバンクに寄付する活動を実施しています。フードバンクは困窮した世帯などに無償で食品を提供する団体であり、当社はこの寄付を通じて食品ロスの削減や、貧困や飢餓をなくす取り組みを支援しています。
2023年度の寄付実績は計20カ所に向けて、保存水(500ml)を36,672本、保存食を36,950個、簡易トイレを45,947回分となりました。
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特定非営利活動法人フードバンクとくしま様より、次のような寄贈報告を頂きました。
「この度は、多数の寄贈品を頂き誠にありがとうございました。寄贈して頂いた食品は2023年6月3日に鳴門教育大学の留学生を中心に支援物資として活用させて頂きました。鳴門教育大学は徳島県内で最も留学生が多い学校で、学生から感謝の声が多く聞かれました。」
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サステナビリティカクテルの提供
「ザ・カハラ・ホテル&リゾート 横浜」では、貴重な食材を無駄なく有効活用して作る「サステナビリティカクテル」を提供しております。本来捨ててしまうパイナップルの芯や果皮を、一晩砂糖に漬けることにより、より豊かな香りとエキスを抽出した地球に優しいカクテルを作っています。
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廃棄書類リサイクル
2024年度からオフィスやホテルで発生する書類のリサイクルを強化しました。これまでリサイクルが困難で焼却処理されていた一部の書類も、ビジネスパートナーのリサイクルスキームを活用することで、トイレットペーパーにリサイクルされます。そして再生されたトイレットペーパーは再び当社オフィスや、グループ内のテナントビルで使用します。この取り組みにより、CO2排出量の削減が期待され、森林資源の持続可能な利用と廃棄物の減量化に貢献します。
廃棄書類の資源循環ループ図

藻類産業構築プロジェクト「MATSURI」への参画
当社グループは、ちとせグループが主導する「MATSURI」プロジェクトに産業構築パートナーとして参画しています。「MATSURI」は、藻を基盤とした社会を構築するプロジェクトです。当社グループは、会員制を基軸に、人生100年時代の健康長寿の実現、パーソナル・ウェルビーイングへの貢献をテーマに、お客様がいつまでも健康で、自分らしく人生を謳歌していただくための幅広いサービスを提供しています。
「MATSURI」プロジェクトを通じて、藻類を活用した化粧品など、新たな商品やサービスを開発・展開することにより、地球環境を守りながら、より一層、お客様の豊かでしあわせな人生の実現に貢献したい考えです。
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